もう30年以上も昔の話です。
その日、わたしと姉は、裏の家に遊びに出かけました。
楽しく遊び終わった帰り道のことです。
裏の家といっても、普通に道路を歩いて行こうとすると、
向こうの角までずっと歩いて、グルーッと一回りしなくてはいけません。
ということで、子どもはずるいですから、
ちゃんと近道を見つけます。
裏の家の垣根をくぐり、隣の家の裏庭をつっきれば、30秒です。
わたしと姉は、遊んだ人生ゲームを二人で仲良くもちながら、
隣の家の裏庭を通り抜けようとしました。
姉が前、わたしが後。
コマやお札が落ちないように平行に盤をもちながら。
が、突然、バサッ、ズドーンという衝撃。
なんと、隣の家の裏庭には、直径1メートルぐらい、
深さ1.5メートルぐらいの穴が、ぽっかりと口をあけていたのです。
人生ゲームで前がよく見えないわたしは、
見事にその穴に落っこちて、側頭部を強打しました。
人生ゲームで落ちる、という、
受験シーズンに聞きたくもない話題ですが…
なんとか家に帰ってきて、側頭部に手をやると、血が出ています。
が、人の家の庭を横切って帰ってきたことのうしろめたさのゆえに、
誰にもそのことを言えず…
病院に行って、縫うことになったのは、それから数日後のことでした。
怪我をしたらもっと早く連れてきてください、とお医者さんに言われたそうです。
自分にうしろめたいことがあると、助けを求めるのが難しいんですよね。
わたしの右耳のところに縫い跡の小さなハゲを見つけたら、
「やましいときでも、なおHELP!」と思い出してください。
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