0356 意見の違いから合意を形成する、というアート

 

どうも、あなたのサーバント中澤信幸です。

 

2018年7月2日月曜日、第356回目の放送です。

 

合意形成はアートなんだ、ということをお話しします。

 

 

日常にある合意形成

私たちの毎日の生活は、合意形成に満ちています。合意形成とは、意見が違うとき、ひとつの共通理解、結論に達することを意味しています。仕事の場面でも、意見の違う人がひとつの結論を導き出していきます。それだけではありません。例えば家族で一緒に食事をしに行こうというときも、家族の意見をまとめて、どこに行こうか決める。これも合意形成です。もう少しシリアスな問題では、治療方法の選択で意見が分かれる。それを決めていくのも、また合意形成です。

 

合意を形成していくのはアート

合意形成は、意見の違うもの同士が一つの合意を「形成」することです。誰か一人の意見にあわせるのではありません。お互いの意見を持ち寄って、どういう比率で意見が反映されるかはわかりませんが、それぞれの言い分を反映した合意を形成します。新たに作り上げる行為です。

そういう意味で、合意形成はアートなんだ、ということを理解しましょう。参加する一人ひとりが作り上げていく、芸術作品のようなものだと考えてみてください。少し違うイメージだと、即興演奏でしょうか。その場で作り上げていく作品です。

 

即興でありながら普遍的

合意形成のひとつの側面は、柔軟性とか、即興性です。誰がその場面に参加するのか、それぞれどんな意見を持っているのか、この状況はどういう状況なのか、それによって合意形成は随分と変わってきます。同じ人たちが集まっても、違う場面なら、違う結論が出るでしょう。同じ場面でも、違う人が集まるならば、意見の組み合わせが違ってくるので、結論もやっぱり違ってきます。その場に応じた、柔軟性と即興性ですね。

即興性という意味では、ちょうどジャズのアドリブ演奏のイメージです。このメンバーで、この場面だからこそ、この音楽が出てくる。他の場所で、他のメンバーでは再現できない。いま、この場所での最高の演奏が繰り広げられる。

合意形成もそういったものです。ですから、その場面にいるみんなの意見が違うのは当たり前で、それぞれ自分の持っているものを出し合うことが大事です。それぞれの役割の中で出てくるものが統合される、そこから新たに創造されるような形で合意が見えてきます。

さらに、合意形成には、公共性ということもまた出てきます。その場限りのはずなのに、けっこう普遍性があります。お互いに真実な意見交換がなされるならば、直接議論に参加していない多くの人たちの考えや感覚も反映されたものになる、ということです。その場に参加しなかった多くの人たちにとっても、納得がいくものになります。

 

ともに作品を作り上げる仲間として

そういう合意を作り上げていくのが、まさにアート、芸術なんだということです。芸術なんていうと、名人芸のように思われますが、けっしてそうではありません。お互いにトレーニングをしながら、身につけていくものです。

意見の違う人がいるときに、恐れることはありません。新しい合意を形成していくパートナーであり、新しい作品を作り上げるための仲間です。お互いによいものを出し合って、そのときに必要な、確かな結論を見出しましょう。

 

 

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中澤信幸(キリスト教牧師✕ライフコーチ)

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