理想のリーダーのスキル(5) 思いを受け止める傾聴

どうも、中澤信幸です。

 

 理想のリーダーに求められる12のスキルを紹介しています。

今日は5つめ、きちんと聞いて思いを受け止める傾聴について紹介します。

傾聴は単に聞くだけではない

傾聴は、耳を傾けて聞くことを意味します。ただ単に聞くだけではありません。

聞くだけというのは、耳から入ってくる言葉の意味を理解するだけです。しかし、聞くことはコミュニケーションの一環ですから、ただ言葉の意味を理解しただけでは不十分です。

その人の言葉から、込められた思いを聞きとる、それを受け止める、それに対して行動を起こす、という一連のセットです。

リーダーこそ傾聴が必要

リーダーは、人を導く立場にあります。コミュニケーションでいえば、指示を出し、ビジョンを語り、聞かせる側の立場です。語るのと聞くのと、割合で言えば語るほうが多いと思われるでしょう。

しかし、人を導くリーダーだからこそ、よく人々の声に耳を傾ける必要があります。

というのは、人を導くために必要なのは、大きな声で言うことを聞かせることではないからです。本当に必要なのは、メンバーの耳を、語られることを聴き逃すまいとする耳にすることです。つまり、そう言う関係を育てる必要があると言うことです。

傾聴のスキルがもたらすもの

傾聴のスキルは、リーダーに非常に重要な3つのことをもたらします。ひとつめは多くの情報を知ることができること、ふたつめは人を大切にするマインドが養われること、みっつめは信頼を得られることです。

傾聴によって多くのことを知ることができる

私たちは、耳から多くの情報を得ています。風邪をひいて耳が聞こえづらくなった時、そのことを実感するでしょう。ちょっとしたため息からでも、多くのことを察することができるものです。

相手の言うことに意識的に耳を傾けてみると、言葉以上のことを理解することができます。その人の思いや感情もそうです。願いや意思も伝わってくるでしょう。単に言葉を聞いているだけではわからないこともあります。

また、その人のことだけでなく、その人が見聞きして知っていることもインプットされます。置かれている立場や、周囲の状況もわかってきます。私のセンサーだけでなく、その人のセンサーで感じたものを、知ることができます。

リーダーにとって、情報量の多さは、とても重要なものです。

傾聴によって人を大切にするマインドが養われる

相手に耳を傾けることは、相手に敬意を払い、大切にすることです。あなたが話そうとしていることは、私にとって意味があり、聴く価値のあるものだ、ということを示すからです。

もちろん、言われたことをそのまますべてそのとおりにします、というわけではありません。大所高所に立って判断すべきでしょう。しかし、聞いて、受け止め、考え、判断することが大切です。その過程で、自分の判断が他の人にどのように影響を及ぼすのか、改めて理解することができるからです。この過程が、人を大切にするマインドを養います。

人を大切にするマインドは、日常の意思決定や、グループの雰囲気にも、非常に大きく影響します。これを持たないことは、リーダーにとって大きすぎる損失です。

傾聴によって信頼を勝ち取る

人の話をよく聴くリーダーは、尊敬され、信頼されます。理想のリーダーのスキルについてのアンケート結果からも明らかです。

リーダーがよくメンバーの話を聞くならば、メンバーもよくリーダーの話を聞いてくれます。信頼関係が構築されているからです。

この信頼関係は、お互いの心に橋が架かっているイメージです。特別な関係であり、行き来がスムーズです。通じ合えている、という安心感があります。

場合によっては、リーダーが言わんとすることを先回りして、自分のこととして取り組み始めます。そんなメンバーがいることは、リーダーにとってなんと心強いことでしょう。

傾聴のスキルが、リーダーにとって不可欠なものであることを理解していただけたでしょうか。

メンバーの話をどれだけ聞いたか、それがそのままリーダーの影響力に反映されます。

おまけ: 傾聴スキルを磨くたったひとつの習慣

おまけです。

リーダーが傾聴のスキルを磨きたいと思ったら、何をすれば良いのでしょうか。

それは、簡単です。たったひとつのことを、自分の習慣にするだけです。

その習慣とは、人の話を聞くときには、手を止めて、表情のわかる距離に自分を置くことです。どんな些細な話を聞くときにでも、です。

まず、三日間ぐらい試してみてください。ずいぶんいろんなことに気がつくと思いますよ。

ではではまた来週。

SDG

 

 

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