0174 目の前のことをひとつずつしていったら、その先に

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どうも、早起き牧師の中澤信幸です。

 

2017年10月12日木曜日、第174回目の放送です。

 

もっと特別な者になりたい、自分の能力を伸ばしたい、と思ったときのために、イエス・キリストのたとえ話を紹介します。

 

 

[note]

2017年10月12日木曜日、第174回目の放送、お相手は中澤信幸です。

 

主人としもべのたとえ話

毎週木曜日は、イエス・キリストが語られた、たとえ話をご紹介しています。今日は主人としもべのたとえ話です。

しもべが野に羊を飼いに、あるいは畑を耕しに出かけていきました。一日の仕事を終えて、疲れて帰ってきたしもべ。主人はそのしもべに何と声をかけるでしょうか。「一緒にきて、食卓で食事をしなさい」とは言わないわけです。かえって、「さあ食卓に仕えなさい。それが終わったら、自分の食事をしなさい」といいます。

しもべが自分の言われた事、やるべき事を一つ一つしたからといって、主人はいちいちそのことに大きな報いを与えることはないでしょう。むしろ、しもべは「やるべきことをやっただけです。わたしは役に立たないしもべです」、とへり下って、主人の前に仕え続けることが求められます。これが主人としもべの関係ですね。

 

「信仰を増してください」

いったい、このたとえ話は何を意味しているのでしょうか。このたとえ話は、イエス・キリストに対して、弟子たちが願ったことへの答えでした。弟子たちは、イエスに「私たちの信仰を増してください」と言ったんです。私たちの信仰をよりすばらしいものにしてほしい。その時、彼らはおそらく何か特別なこと、目新しいこと、自分たちが懸命に努力すべきこと、そういったことを教えてください。今まで以上に、私たちがもっと素晴らしい歩みを手に入れられるようにしてください、そういう気持ちで言ったんだろう、と思います。

 

忠実に仕え続けること

しかし、そのことに対して、イエス・キリストが言ったのが、しもべというのは忠実に仕え続けることの中に歩みがあるんだ、ということでした。一生懸命仕事をして来たからと言って、主人の食卓につけると勘違いするようなことがあってはいけない。しもべは自分のすべきことをひとつずつしていく中で、その歩みが果たされていくのだ。

もちろん大前提として、主人がそのしもべを受け入れているという事実があります。主人というのは、しもべをこき使って、働かせて、その人を利用する、ということではないんですね。しもべを受け入れて、その身分、生活を保障して、その人が一生懸命やることが、この家全体の役に立つように。そういうふうに、大きく見守っている。

それが主人ですので、しもべはことさら何か特別なことをしなくても、「私は役に立たないしもべです。なすべきことをしただけです」言って仕え続ければ、主人は逆に「お前は良いしもべとして、よくやっている。今度はこれを与えよう。今度はこれを与えよう」そこにひとつずつ増し加えられる。

「もっと、もっと。私はよくやっているでしょ」といえば、「何だお前は」ということになります。「私はすべきことをしただけです」といえば、「お前のやってるいることは、『だけ』なんてことはない。本当に良いことじゃないか」とその歩みに報いを与えてくださる。

 

へりくだれば持ち上げられる

なんか、ここに不思議なことがありますね。自分で求めて、大きなことをしようと思ったら、それが退けられる、引き下げられる。なすべきことをしただけです、役に立たないしもべですとヘリくだるならば、そのことが持ち上げられる。特別なことを求めれば、それが裏目に出るし、なすべきことをひとつずつきちんとしていることが、結局その人を持ち上げることになる。

「信仰を増してください」といった弟子たちは、何かを見失っていたり、あるいは勘違いしていたのかもしれませんね。その部分にイエス・キリストは答えて、たとえ話を話されたのでしょう。

私の中にも、どうだろうなぁ、思い違いというか、思いあがりというか、何か勘違いしたような求めがあります。まず、目の前のこと、与えられていることを、一つ一つしていくことで、その中に確かな道筋が見えてくるはずです。なのに、もっとあっちのほうがいいのではないか。もっと新しいことをした方がいいのではないか。思い当たる節があります。自分が本当にすべきことに取り組み、「なすべきことをしただけです」って胸を張って言えるように、歩みたいと願っています。

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中澤信幸(キリスト教牧師✕ライフコーチ)

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